【ORASトリプル】スペシャルゴチルゼルスペシャル

パーティ

【サマリー】

ゴチルゼルを絡めることでスタン系統の構築でありながら無理なくトリル系ギミックパへの耐性を上げられることを発見した。単にスタンパにゴチルゼルを入れるだけでは低下した数値を補いきれずスタンミラーで勝てなかったが、そこから派生しこちらの詰め筋の邪魔となるポケモンを影踏みでロックしたまま排除して勝利を目指すコンセプトに変更。


相性が大きく出る身代わりヒードランを詰め筋に据えることで立ち回り上考えることの負担も軽減され、扱いやすく強力な骨子を手に入れることができたと思う。

細かい部分は詰めきれていないが、現時点での調整録も兼ねてブログに掲載する。



【構築】
ポケモン 持ち物 技1 技2 技3 技4 特性
ガルーラ ガルーラナイト すてみタックル ねこだまし けたぐり まもる きもったま
スイクン ラムのみ ねっとう れいとうビーム バークアウト ほえる プレッシャー
ランドロス とつげきチョッキ だいちのちから ばかぢから とんぼがえり がんせきふうじ いかく
ヒードラン たべのこし ねっぷう ラスターカノン みがわり まもる もらいび
ゴチルゼル オボンのみ サイコキネシス ちょうはつ トリックルーム まもる かげふみ
モロバレル ゴツゴツメット ヘドロばくだん ギガドレイン きのこのほうし いかりのこな さいせいりょく


ガルーラ  181-147-100-x-100-156(ようき)
メガ時   181-177-120-72-120-167

スイクン  198-85-136-143-136-125(ひかえめ、非理想)
ランドロス  195-165-120-134-109-113(きまぐれ、非理想)
ヒードラン  182-x-127-199-127-114(ひかえめ、非理想)
ゴチルゼル  177-x-116-115-178-85(おだやか)
モロバレル  221-105-134-105-101-31(のんき)

【個別解説】

ガルーラ 181-177-120-72-120-167(メガ)
陽気AS。最も強いポケモンであり特別な理由がない限りは採用されるため、ゴチルバレルについで3番めに入ってきた。
メガガルーラであるために持ち物はガルーラナイト。
最も強い技である捨て身タックル、ドランやバンギへの打点になるけたぐり、2番めに強い技だと思っている守るの3枠は確定。
ねこだましを不意打ちにしたい気持ちがないわけではないが立ち回り上の理由で切れず4枠確定。
スイクンが吠えるを所持しておりゴーストタイプのトリルを止められるため、おそらく初手で考えることを減らせる精神力の方が良い。
ゴチルゼルと組むことで相手に威嚇を回す、耐性受けで凌ぐといった動きを許さない。
問答無用で対面の生き物を粉砕してくれるため、倒したいときに倒したい生き物を倒すことで詰め筋に持っていくのを楽にしてくれた。
つよかった。


スイクン  198-85-136-143-136-125(めざ炎個体)
C11n、冷凍ビームでCSメガボーマンダを倒せるところまで。S最速バンギラス抜き、残りH。ボックスから発掘してきためざ炎個体であるため本当はもう少し数値を伸ばせる。
2番めに書いているが採用されたのは6枠目。
ヒードランで詰めることを終着点とした場合、相手のヒードランランドロスが重くなるため水打点が求められる。
メガボーマンダの処理が重くなっていたため対面で不利を取らないこと、ゴチルゼル絡みで対応しきれないギミックパや滅びパへの耐性として吠えるがほしかったこと、またゴチルバレルで下がった数値を補えるポケモンを入れたかったことから採用された。
上述通りドランランドへの遂行がなるべく早いほうが良いためCを高めに。同じくバンギラスに対しても削り役であってほしいためバンギラスより早く動けるSのラインを確保して残りを耐久に振った。
ドロポンと主要どころの確定数が変わらなかったため一致技は熱湯。遂行速度重視であるため凍える風ではなく冷凍ビーム。吠えるが欲しかったため吠えるで3枠確定。4枠目はバークアウト。これはニンフィアや雨系統と殴り合うこと、デバフを解除させないゴチルゼルと相性が良いことのほか電気や水相手にドランで無理やり戦いに行くことを想定している。
追い風は不要であると思っているし現状特に必要に感じた場面もない。トリル相手には裏目でしかなく相手が追い風してくるなら別に通してそのまま殴り合えば良いのである。
オボンも食べ残しも奪われていたためラムをもたせているが、ドーブル絡みのギミックパと戦うことを考えるとこれで良いと思っている。まあオボンがほしい試合はいっぱいあるのだけれども。
妙な積み技だったり怪しいギミックパに対して一定の役割を持ちつつ地面・炎ポケモンの排除に寄与、かつ単タイプながら高数値でサイクル性能も最低限以上確保し、ニンフィアや雨パとの撃ち合いを有利に進めさせてくれることさえできるユーティリティ枠。器用貧乏になりそうなところを準伝スペックで補いスーパーサブとして十二分の働きを見せてくれている。凍える風、リフレクター、瞑想等も採用を検討できるし色々試したい。


ランドロス 195-165-120-134-109-113(きまぐれ、非理想)
こちらの配分を参考。色々耐えて最低限速い。火力もギリギリ最低限。
非理想であるためSを準速ギルガルド+1まで落としたりCを削ったり涙ぐましい努力をしている。理想ランドのためにストーリー読み直しを兼ねてBW,BW2を1週してくるのも良いのかもしれない。
採用順は5枠目。威嚇枠を求めており、最も強い威嚇枠かつ相手のヒードランを排除する事ができるため採用。
遂行技であるだいちのちから、がんせきふうじが確定。滅び耐性とサイクル性能確保、有利対面形成のためのとんぼ返りを3つ目。4枠目はガルーラに薄い気がしたのでばかぢからを採用したが汎用性を取ってはたきおとす、あるいはランドマンダへの削りになるめざ氷の方が良いのかもしれない。
現状はニンフィアはバークアウトでごまかせる、かつドラン詰めの場合は最悪放置でも良い(よくないが)こと、マンダについても同じくランド詰めの場合は遂行を急ぐ必要はなく、かつスイクンが打点になってくれていることからばかぢからになっている。
いつもどおりの活躍をしてくれた。とてもえらい。


ヒードラン  182-x-127-199-127-114(ひかえめ、非理想)
今回のエース。4枠目での採用。
前職がヤのつくドランだったためめざ草個体。哀愁あふれるC199。
準速バンギ+1(=準速ガルド+2)、Cめいっぱい振って残りH。
コンセプト上入ってくる身代わりと一致打点2つ、対面相性がはっきりしているため守るで4枠確定。持ち物も残飯で確定。
パーティコンセプトであり詰め筋。残りの5体は最終的にドランを通すために存在している。
ゴチルゼルでボードロックするということはつまり倒したい相手を逃さず倒せる、こちらの詰め筋の邪魔になるポケモンを確実に排除できるということ。
そうなった場合に詰め筋として立てられるポケモンとして最適であると考えたためヒードランが採用された。
見せあい時点で2体、多くても3体倒せば後はドラン1体で勝てる相手が多く、コンセプトとしては正解だったと思う。
コンセプト上だいちのちからが欲しい場面は存在しない。仮に存在したのであればだいちのちからが必要な状況にしてしまった立ち回りが悪いのであり技枠を改善する必要は一切ない。
同じくコンセプト上有利な相手との対面しか想定する必要がなく、かつパーティ全体で遂行速度がそこまで速くないためCにめいっぱい振っている。
当初の想定通りの活躍。実際に相手が3体残っていようがドラン1枚で全部捲れる試合もあったほどの詰め性能。ただでさえ耐性詰めに向いているのに加えダメ押しの身代わり残飯で追加効果ワンチャンすら許さない。
ガルーラで殴り倒しランドロスで威嚇を撒きバレルスイクンで荒らし回った果てに降臨するその背中は、仁王立ちという形容ですら不足に感じるほど頼もしかった。


ゴチルゼル  177-x-116-115-178-85(おだやか)
コンセプト枠その2。1枠目の採用。
もうちょっとBにまわしても良さそうではあるが明確な調整先が見当たらないこと、現状特に不満がないことからHD振り切り。生存ターンが1ターン伸びるだけで劇的に違うためオボンのみ。
一致打点、かつドランで不利になる格闘タイプへの遂行技であるサイコキネシス、場持ちを良くするまもる、ギミック系相手に強力な挑発の3枠確定。4枠目にトリル返し、及び中速寄りの構築であるため追い風へのカウンターとしてトリックルームを採用。
いやしのはどうは打つタイミングがないか打たなくても勝ってるかのどっちかでしかない。横取りはうまく使えない。
そこにいるだけで強力無比な特性である影踏みを有し、一方的にサイクルを回しつつ詰め筋を確保。格闘やモロバレルを粉砕。ギミックパの始動を無理やり崩す性能も非常に高かった。
本構築のスタートであり、きっちりスタート当初のコンセプト通りの構築を実現させてくれた。行動の選択肢が非常に多いトリプルバトルにおいて交換択を考慮しなくて良い、守った次のターンに(2連守るされなければ)確実に攻撃を通せるなど、立ち回り上の負担を大きく軽減してくれ、トリプルバトル初心者にとってたいへんやさしいいきものであった。


モロバレル  221-105-134-105-101-31(のんき)
ゴチルと並べたときの対ギミックパ性能を買い、最初から採用されていた枠。
HB振り切り。もう少しDにまわしても良いのかもしれないがこちらも現状特に困っていない。
胞子/粉/ゴツメ/再生力で技の4枠が埋まっている。おまけで一致打点2つを採用しているが、一致技をどちらか一方にしクリアスモッグや守るを採用したほうが強いのではないかと思う。
ドランスイクンと縦の相性がよく、アンチトリル性能、アンチギミックパ性能、胞子による荒らし、粉による詰め、ニンフィア耐性、電気耐性、雨耐性エトセトラエトセトラ。ドランが不利を取る水地面に対する枠であり、雑に投げられるクッション。いわゆる過労死枠を担当。スイクンが攻めのユーティリティであるならばバレルは守りのユーティリティ枠。
概ね想像通りのモロバレルの強さであり、モロバレルモロバレルであることが何より強かった。

【構築の経緯】

前回 の学びである「ゴチルゼルモロバレルカポエラーの3枠で大体のトリル含むギミックパに対応できる」というところから構築をスタート。ゴチルバレルカポの3枠込でスタン系統のパーティを構築したところ、スタン系統とのミラーにおいて数値の低さでそのまま敗北するケースが多発。
状況を打開するべく、「なるべくパーティの数値を高めること」「純スタンとは異なる構築とすること」を目標にガルゴチルバレルカポの4枠スタートでパーティの骨子を改めることに。
スタン方向、かつ準スタンではない構築におけるゴチルゼルの強さとして、相手にサイクルを回させないことに着目。5世代シングルにおける追い打ちバンギラスよろしく通したいポケモンを通すための枠としてのゴチルゼルを立てる方向性が定まった。通したいポケモンにはなるべく数値が高く、多くの構築において半分以上のポケモンに有利が取れるヒードランを選択。これにより「純スタンとは異なる構築とすること」をクリア。
また、影踏み+フェイントまで使って特定の相手を処理する必要が薄れたことから数値の低いカポエラーを他の威嚇枠に変更することを検討。この時点でガルーラ、モロバレルゴチルゼルヒードラン、威嚇、何か、の6枠となった。
威嚇枠としてはギャラドスランドロス、非メガマンダ等。6枠目としてはサンダー、サザンドラファイアローギルガルド等を試していった。
最終的に威嚇枠は最も数値の高いランドロスに決定。カポエラーでは数値が低く、便利な技はあるものの結局パーティ全体で火力が不足しすぎる。ギャラドスは悪くなかったがこちらも技威力が低く、威嚇で置物になりがち。氷の牙を押すたびに涙がちょちょぎれる思いに耐えきれなかった。
また、調整の過程でおいかぜ含むS操作が不要であるという結論に至る。全体的に中~低速であるため追い風ミラーでは結局先手が取れず、トリル相手にはそもそも不要な技となる。そもそもゴチルゼル採用により数値が下がってるのに追い風に1ターン費やしている余裕はなかなか生じない。S操作している暇があったら目の前のポケモンをぶん殴ってドランの道を開けるほうがよほど勝利への寄与が大きいのだ。
ということでS操作は最低限、ゴチルゼルトリックルームとし、空いた技枠で水/氷/バクア/吠えるときっちり欲しかった要素を満たしつつ数値を確保してくれるスイクンが6枠目に入って今に至る。
ギミックパ相手の場合にはゴチルゼルを真ん中に置きガルーラ、モロバレルスイクンから2枠を選出。影踏みにより相手に最善の展開を許さず、吠える、キノコのほうし、トリル返しで並びを崩して無理やりこちらのペースに持ち込む。
一般的なビートダウン相手であればヒードランを通すことを最終目的とする。基本的にガルーラ-ゴチル-x(左右は順不同)の初手から入るが、ガルーラが対面不利を取る相手の場合はゴチルゼルを端に置いても良い。ゴチルゼルは倒れるまで場に置いておき、有利対面を形成して交換できない相手の残数減らす。特にドランの障壁となる生き物から優先的に削ってゆく。
ガルーラ、ヒードラン以外の4枠は良くて上の下程度の火力しか出せないことに注意して立ち回ること。ゴチルゼルの数値の低さがバレる前にガルーラの雑削りと対面相性で数的優位を確保することを意識する。
ギミックパ以外のS操作は通す。追い風は通されても何も困らない。トリルはバレルで抗うかゴチルで返すかだが、基本的にバレルでぐちゃぐちゃにするのが良い。みんな数値が高いため(ギミック系統でなければ)トリルを貼られても絶望的な不利は取らない。
さんざん語って来たとおりヒードランを通すことが最終目的である。雨パであってもドランは詰め筋になる。見せあい時点で相手のどのポケモンを優先して処理するべきか、こちらのどのポケモンを大事にするべきかをざっくり考え、おおよそその通りに立ち回れば良いためかなり動かしやすい仕上がりになっていると思う。
一番好きなポケモンであるスイクンを強く使える構築を久しぶりに作れたためとてもうれしい。

【反省】

スイーパーの不在。
ドランを立てることを最終目標としているため仕方ないことではあるが、ファイアロー的な、強烈な削り要員が不在である。メガガルーラがある程度その枠であるが、初手から投げてすてみタックルをガンガン使っていく都合上消耗が激しい。かといっていやしのはどうによる回復を挟む暇はほとんど存在しない。
はらだいこマリルリの処理に困ったり、ドランで詰めたいのに削りきれなかったランドロス相手に猫守るの択を通す必要があったりとガルーラの猫騙し以外に先制技がなく、またガルーラ以上のSラインを持つポケモンが存在しないため立ち回りが窮屈になることがままあった。追い風不採用と矛盾しているように聞こえるかもしれないが、0手でそのままスイーパーになってくれるポケモンがほしいという話であり追い風でS優位を取りたいというわけではない。
細かな配分や技枠の変更、ドラン以外の詰め筋を立てる構築に変更することはもちろん、ゴチル以外の5枠いずれも変更の可能性があり、パーティコンセプトはそのままに構築の内容を色々いじれるのではないかとおもっている。
トリプル初心者なのでこのあたりの話は話半分に聞いてくれたほうが良いと思うけども。